特徴と歴史

加賀友禅の特徴と歴史のご紹介

●加賀友禅の特徴

加賀友禅の特徴に、まず写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄行きがあげられます。華麗さを追求した図案調の京友禅と比較すると、その武家風の落ち着きある趣きがよくわかります。
  また加賀五彩といわれる「藍」「黄土」「臙脂」「草」「古代紫」を基調とした多彩で温かい色使いも、淡青単彩調の京友禅とは大きく異なる点でしょう。
  技法においても、加賀友禅は線の太さやぼかし、虫喰いなどの表現でアクセントをつけ、自然美を巧みに描き出しています。特にぼかしの技法は、一般的に京友禅が内側から外側にぼかしていくのに対して、逆に外側から内側にぼかしていくという違いがあります。
  また加賀友禅は、箔や刺繍などによる加飾を殆ど施さずに染めだけで仕上げるため、本染めの味が生きています。
  友禅流しののち、自然に乾燥させて仕上げる加賀友禅は、その伝統の技術と心によって格調の高さを全ての女性に今も与え続けています。

伝 宮崎友禅斎坐像


●加賀友禅の歴史

 加賀友禅の歴史は、今からおよそ五百年前すでに確率され加賀国独特の染め技法であった「梅染」にまで遡ります。
 しかしこの梅染は無地染めであり、さらに模様が施されるようになるまでには200年の時を必要とします。  
  17世紀の中頃になっていわゆる加賀御国染と呼ばれる兼房染や色絵、色絵紋の技法が確立され、加賀友禅は新しい歴史を刻み始めることになるのです。なかでも色絵紋の繊細な技法は、友禅染めの原点になったとも言われているのです。
 そして1712年(正徳二年)、宮崎友禅斎が登場し加賀友禅はおおきな発展期を迎えることになります。  
 加賀友禅の始祖と言われその名の由来ともなる宮崎友禅斎は、京都から金沢の御用紺屋棟取・太郎田屋に身を寄せ、以降御国染に友禅の画風を取り入れた斬新なデザインの模様染を次々と生み出しました。  
 宮崎友禅斎は革新的なデザイナーとして優れた才能を発揮し、現在の加賀友禅の確立発展に大きく寄与しています。